コラム記事・研究会レポート

各植物療法の得意領域、不得意領域を考える

2020/12/19
研究会

『HOLISTIC NewsLetter Vol.108』より 抜粋
2020.8月23日関東フォーラム「植物療法研究会」レポート
◎文・植物療法研究会 村上志緒

「植物療法のマッピング」を探る

植物療法研究会では、メディカルハーブ、アロマテラピー、バッチフラワーレメディ、園芸療法、そして森林療法といった各植物療法の特徴をとらえながら統合的な療法として活かすといった視点をもち、探求を進めてきました。
前回の研究会では、それぞれの特徴を同じスケールを用いて位置づけてみることにトライしました。今回はさらに深くとらえる試みとして、各々の得意領域、不得意領域を考えながら、植物療法としてのそれぞれの特徴や役割について話し、ディスカッションするという内容でした。

1)メディカルハーブ

(グリーンフラスコ代表 林真一郎)
植物を材料に、それらの含むフィトケミカル(植物化学成分)をティーやチンキサプリメントなどの形で体内に取り入れて健康に活かすメディカルハーブについては、情動、感情などの精神的な状態とも深く関連する不定愁訴やストレスによる心身相関的な不調、加齢に伴う生体防御機能の低下、ストレスへの適応力の低下など、私たちの心身の基盤に要因をもつ不調に働きかけることが得意な領域としてあげられました。
これらは、フィトケミカルそのものが、植物が生きていくために環境の変化に応じて備え、植物自身の生体のバランスを整えるものであり、それらが私たちの心や体にホリスティックに働きかけ、同様に良いバランスをもたらすことによって生まれる有効性を象徴していると思いました。
私たちの心や体も環境からの刺激に対して呼応するように生体の持つさまざまな反応経路を動かし、状態を整えていきます。フィトケミカルを異物としてとらえ、それらによる刺激が私たちの状態を整えるといったケミカルトレーニング説は、その性質を大きく物語っているものとして、興味深いものでした。

2)アロマテラピー

(トトラボ代表 村上志緒)
アロマテラピーについては、前回の研究会で取りあげた、パトリシア・デービスが唱える、エネルギー体に働きかけるサトル・アロマテラピーを視点の1つとして、彼女の定義する肉体に働きかけるトラディショナル・アロマテラピーと比較することにより、考えていきました。
トラディショナル・アロマテラピーとしては、精油の持つ物質としての性質から、化学、生理学的なとらえ方ができ、客観性に結びつき、現代科学的な理解を比較的得やすいといった特徴があると思います。
またサトル・アロマテラピーとしては、人も植物も、生きているものは、エネルギーを基点に変容するものとして性質を捉えることができ、個々の変容といった体験を得やすく、個性や主観的な感受性に働きかける力が強いことを述べました。
これら2つの観点は同時に生まれうるものであり、それらが統合したアプローチができることはアロマテラピーの強みであると思います。

3)森林療法

(日本森林療法協会 飯田みゆき)
健康のために森林を活用する森林療法は、森に身を置くことで得られる、五感の刺激による個の体験が健やかさにつながるところに特徴があります。
森林療法が「ボディ-マインド-スピリット」のそれぞれにどのように働きかけるかが語られました。自分を超越した大いなるものの存在を感じ、気づき、思考すること、自然とのつながりをもつことは健やかさを生む最大の要因であることを改めて思いました。
また、体験を共有することにより、社会とのつながりが生まれ、社会に参画していることでの充実感を得るということも、森林療法のもつ大きな利点であると思いました。

4)バッチフラワーレメディ

(バッチホリスティック研究会代表理事 林サオダ)
バッチ博士の創った38種のフラワーエッセンスを用いるバッチフラワーレメディは「より自分らしく自然体で生きやすくなれる方法」であるというお話はとても共感するものでした。
ハイヤーセルフと現実的な自分のズレは、感情として現れ、認識にのぼっている感情を順番に解いていくことにより、自己理解を深めて、自己肯定感につなげます。
それには、自分自身の感情を見つめるといった心構えが必要、そして、自分にはストレスがあるといったマイナス感情に気づいていることは、レメディがスピリットやマインドに働きかけ、良い状態に結びつく第一歩であるということです。

5)園芸療法

(HERB AND CRAFT 代表 宍戸多恵子)
植物が育つ環境は安らぎを生む環境であり、それが健やかさにつながるといった考え方が園芸療法の根本にはあります。
また、植物を育てるといった行為を自分自身で行うことは、達成感や充足感を得て自信につながること、また自分ではどうにもならない場面の体験などは、受容する力を生み、健康をもたらします。園芸療法の大きな力は、この自己肯定感を生むことにあると思いました。

 


本セミナーは、Vimeoオンデマンドで受講できます。
各植物療法の得意領域・不得意領域
【1】メディカルハーブ/アロマセラピー/森林療法/フラワーエッセンス/園芸療法(本編1時間10分)
【2】「各植物療法のトピックス」を探る(本編 2時間15分)