コラム記事・研究会レポート

『「死」が教えてくれた幸せの本質』船戸崇史 (著)

2022/02/08
図書紹介

日本ホリスティック医学協会理事の最新刊を紹介します。
【新刊紹介】
「死」が教えてくれた幸せの本質~二千人を看取った医師から不安や後悔を抱えている人へのメッセージ

船戸崇史(著)/ユサブル(2022年)
1,400円+税

著者は在宅医療を支える医師として日夜奔走し、すでに2,000人を超える患者を看取っている。
かつて消化器腫瘍外科の専門医だった著者がなぜ在宅医療を志したのか。余命を告げられたがん患者と寄り添う著者自身、腎臓がんのサバイバーだ。
「幾夜も不安な夜を過ごし何度も泣いた」と素直に告白しているが、それでも死を覚悟することは終わりではないと患者を励ます。がん患者からの要望で毎年開催していたツアー中、現地到着前に1人の患者の容態が急変し、機内で看取ったこともある。また、水頭症性無脳症の医療的ケア児の自宅看護を支えた経験もある。
死は遠ざけるべき、忌むべき、拒絶するべき不幸では決してない。死から目をそらすのではなく、いかにその人らしく生き切るか。それをサポートしながら出会った数々のエピソードは死生観を問い直すきっかけになることだろう。