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コミュニティ防災 ~地域のつながりをつくる

2023/02/13
ライフスタイル

2023年2月6日に発生したトルコ・シリア大地震では、深刻な被害が発生し、多くの尊い命が失われました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、一日も早い被災地の復旧を心よりお祈り申し上げます。


今回のような自然災害の映像をみるたび、心を痛めている方も多いと思いますが、地震大国といわれる日本も いつどこで発生するかわかりません。日頃の備えはもちろんのこと、自分の住む地域への理解を深めることも防災の1つと言えます。
協会会報誌『HOLISTIC News LetterVol.110』より、「コミュニティ防災」の記事を紹介します。

コミュニティ防災 ~地域のつながりをつくる

災害への対応は発生前の防災(被害抑止)から減災(被害軽減)、災害直後の応急対応、そして復旧・復興と長期にわたります。支援や援助の持続性を考えると公助や外助(外国からの支援)を待つより、自助・共助機能が高いほうが地域性に合った対応を速やかに実行できることは容易に想像できます。
自助・共助が機能するためにもっとも必要なのが地域の人と人とのつながり、顔の見える関係です。阪神・淡路大震災や東日本大震災などにおいても、地域の人々のつながりが防災、減災に影響することが実証されています。
災害対応力の向上を目指して、共助を中心にしたコミュニティの防災へのアプローチを「コミュニティ防災」といいますが、コミュニティ防災の実現には地域コミュニティの結束力が不可欠。より身近なものとなった複合災害に対しては、コミュニティ防災力を強化して対峙するほかありません。
都市部では核家族化が進み、マンションの高層化などによって近隣住民同士のつながりが希薄になり、仕事や自分の趣味以外のコミュニティを持たない人も増えていますが、地域コミュニティがあって初めてリスクコミュニケーションは成立します。これを機に、近隣住民との付き合い方や自分自身のライフスタイルを見直してみてはいかがでしょうか。

◎ 地域で災害対応力を高めるために
日頃からあいさつを交わし、軽いコミュニケーションを取っておく(深い仲でなくてもいい、顔見知りをなるべく多く作っておく)
近隣にどんな人が住んでいるか知っておく
市報、区報に目を通し、地域情報に敏感になる
「わがまち」の土砂災害や洪水のハザードマップを入手し確認する
散歩がてら自宅周辺の地図を足で確認し距離感を体感する(その際、水場のある公園、公衆トイレの場所などをチェック)
公民館など公的施設をうまく利用し、サークルや教室の主催など地域に根差した活動をする
地域のワークショップやイベントなどに参加する、など

 



会報誌『HOLISTIC NewsLetterVol.110 私たちの防災』より