コラム記事・研究会レポート
医療塾 第3回「ホリスティック ケース カンファレンス」
2012/09/12
医療塾
医療従事者のための「ホリスティック医療塾」
2012年5月27日(日)於:関西医科大学滝井学舎本館会議室
◎レポート:愛場 庸雅(日本ホリスティック医学協会理事)
第3回「ホリスティック ケースカンファレンス」
ホリスティック医療塾第3回は、「ホリスティックケースカンファレンス」としました。
実際に参加者が経験した症例を振り返り、ホリスティックアプローチとして、どのようなことが考えられ、どのようにすれば良かったかなどを、自由にディスカションしようという試みです。
まず、緩和ケア医である関西支部長の黒丸が体験した、症例を呈示しました。
比較的若い年齢のがん患者さんで、当初の医師への不信感から、通常の医学的治療を拒否し、極めて全身状態が悪くなってから外来を受診された人です。
とりあえず急場の処置を行えば、しばらくは全身状態を保てそうだが、拒否的態度の患者にどう対応するのか?
急場をしのぐ処置をやり終えたとして、次に治療的な介入はどうするのか?治療に対して、患者の思いはゆれているが、それにどうかかわってゆくか?
あるようだが、その点についてのアプローチはできるのか?さらに末期の状態になっていった時に、患者とのかかわりをどうするのか?最後の望みを叶えるための可能性はあるのか?
このような課題を持った具体例に対して、どのように考えるのか。活発なディスカッションが行われました。
もちろん正しい回答というものは無く、色々な意見が交わされる中で、気づかされることが多々ありました。出てきた意見はさまざまでしたが、まとめることは出来ないので、順不同で羅列します。
・とりあえずの緊急事態は回避しなければならないだろう。だが、「治す」ことを患者は望んでいるのか。
・本人の考え方や、希望、死生観をじっくり聞きたい。
・患者の今の生き方に焦点をあてる。
・「医療不信」と「自己否定」によりそうことが必要。
・叱ってでも治療しないといけないこともある。
・治療の方法は、まだある。免疫療法、食事療法、民間療法などいろいろ。しかしコストもかかる。
・心理的アプローチ、スピリチュアルな転換で退縮の可能性もなくはない。
・患者の生きる希望を見出せないか。家族との問題が大きい。
・患者も、がんが何かを自分に伝えようとしているという認識を持っている。
・自分の行動の矛盾にも気付いている。家族へのアプローチも必要。
・本人が自分の気持ちをわかってもらえる人の存在が必要。
・最後はやはりキーパーソンの家族と本人の関わりである。
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