ホリスティックコラム

私のホリスティック観

ホリスティック外来の活動から

dr.yuriko 山本百合子 (やまもとゆりこ)
 山本記念病院理事長、医学博士、皮膚科専門医。
 日本ホリスティック医学協会常任理事、
 日本ホメオパシー 医学会認定医、ホメオパシー心身医学研究会、
 日本アントロポゾフィー医学のための医師会メンバー。

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 現在、当院では、通常の保険適応の診療の他に、自由診療で個々人に合わせて方法論を考えるオーダーメイド治療の場ともいうべき「総合診療部」を立ち上げて、日常的なホリスティック医療をめざしています。この自由診療部の前身である「ホリスティック外来」を始めてから、既に10年余りが経ちました。この10年余りの間に、皮膚科医であった私は皮膚科を窓口にした一般医になりつつあります。(もちろんまだまだ勉強が足りませんが・・)

 

 大学病院での学術的診療を経て、一般臨床病院の皮膚科での診療を行うようになってみると、大学病院での治療の多くを占めていた日本では希少な難病や皮膚がんはさておき、臨床病院の皮膚科の診察を行ううちに日常のよくある病気である湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎をはじめ、乾癬、白斑、多発性円形脱毛など治りにくい、私の力では治せない病気の多さに日々悩むようになりました。

 『皮膚は内臓の鏡である』という言葉を胸に診療していた私でしたが、多くの患者さんに出会ううちに、全身の状態(身体だけでなく、心の状態も)が皮膚を通して表現されているのだという想いがますます強くなっていきました。同じ頃、自分自身が病気で入院、手術するという患者体験があり、患者さんと同じ視線で病気を眺めてみようと思うようになったのです。

 

 「ホリスティック外来」に話を戻すと、その始まりは、難治性の蕁麻疹の患者さんでした。様々な検査をしても、原因不明。内服薬は眠くなるだけで殆ど効かない。という若い女性で、じっくり話を聴いて、生活の中から治療のヒントを見つけたいと思い、外来の時間内ではそれが出来ないために、診察終了後に、時間をかけて話を聴くことにしました。

 患者さんとの信頼関係ができたとき、その頑固な蕁麻疹も治っていきました。このような患者さんが一人、またひとり増えていき、診察終了後から、週に1回の予約外来「ホリスティック外来」ができました。

 

患者さんと一緒に創ってきた「ホリスティック外来」

 

 この外来で患者さんは皮膚のことだけでなく、他の科にかかっていて薬も貰っているのに、治らない症状のこと、あるいは今まで誰にも言ったことはないけれど不安に思っていることなど、何でも話してくれました。その中には、今、私が持っている技術で対応できるものもあれば、まったく歯が立たないものもありました。

 それぞれの患者さんごとに治療法を求めて、さまざまな理論や、治療法や、技術を学びました。「ホリスティック外来」は、一人ひとりの患者さんが自ら私の先生となって、導いていってくれた、いわば、患者さんと一緒に創ってきた外来なのです。その「ホリスティック外来」が満杯となり、医師も私一人から、同志が出来、二人になり、三人になって、現在の「自由診療部」となりました。

 「自由診療部」では通常の内服薬や検査等の保険診療は院内の保険診療部門で行います。「総合診療部」には現在、『ほっとする科』、『痛みの外来 ~身体から心まで~』、『よく聴く科』があり、3名の医師がそれぞれの持ち味をいかして担当しています。

 治療の内容は、患者さんとよくお話をした上で、症状にあわせて様々な治療法を組み合わせます。私たちが用いている治療法としてはアーユルヴェーダを用いた生活指導、ホメオパシー、フラワーレメディー、スピリチュアルヒーリング、バイオレゾナンス(波動治療)アントロポゾフィー医学に基づく治療などがあり、その他、医師以外の治療家による療法とも組み合わせて、治療の幅を広げ、効果を挙げようとしています。それらの療法とは、オイリュトミー、アロマセラピー、カラーセラピー、オーラソーマ、スリーインワン、メイクアップセラピーなどです。

 

今後の展望について

 

 さて、これからの医療の方向性について考えてみたいと思います。現代医学が専門化細分化していく中で漸く、一般医、総合医に世の中の目が向けられてきました。木ではなく森を見る、病気ではなく人を見る、ということの大切さが認知されてきたのだと思います。けれど、ホリスティックであろうとすれば、そこにも留まる訳にはいきません。

 ホリスティックであるということは「生命」を考えるということであり、目に見えるものも、目に見えないものも全てを考えるということです。生まれる前から死んだ後までを考えるということです。

 

 ドイツのベルリンにあるアントロポゾフィーの病院とフランクフルトのそばの小さな村のナテュラルクリニックという2つの病院を見学してきました。それらの病院では病気や状態の診断には現代西洋医学の先進機器や技術を駆使し、治療に際しては自然療法の薬や、ハーブ、ホメオパシーなどを用いていました。もっとも重要なことはそこでの治療の目的が病気を治すことではなく、「一人ひとりの患者さんがその病いを通して人として如何に進化をしていくか、しあわせになっていくか」を目指していたことです。それぞれの患者さんが全てのスタッフから人として尊重され、病める仲間としてケアされていました。

 これから私が目指すのは当院全体の自由診療部化です。当院において自由診療部に代表される意識の拡大です。病院の役割を病気を治すという限られた役割から、みんなが元気で幸せになる場所になるという役割に拡大したいと思います。

 病気の人だけでなく、近所の人もちょっと寄ってみようかしらと思える場所。魂でつながる仲間として患者さんと家族と医師を含めたスタッフがみんなでニコニコ笑いあう場所、そんな場所を目指します。

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